小田急と京王の夕ラッシュ争い
みなさんこんにちは。さて、先日小田急のダイヤが無事改正されました。賛否両論の意見が伺える今日この頃ですが、今のところはそれほど目立ったトラブルも起きていません。よく電車は4月に遅れやすい(新入生や新社会人が慣れていないため)と言いますが、果たして4月以降どうなるのでしょうか、楽しみですね。
さて、本日のテーマは「競争」です。朝ラッシュでは小田急が所要時間的に優位な多摩戦争(多摩センター付近の住民の奪い合い)ですが、夕ラッシュは線路容量に比較的余裕のある京王が依然優位です。小田急が夕ラッシュで所要時間的に勝てる見込みはあるのでしょうか。考えてみます。
参考データ(新宿〜小田急多摩センター/京王多摩センター)
小田急:距離30.6km 最高速度100km/h 現夕ラッシュ33分
京王:距離29.2km 最高速度110km/h 現夕ラッシュ29分
参考データ的にはやはり京王が早そうですね。
小田急は新宿18:02発、京王は18:12発の所要時間を参考にしています。
結論
夕ラッシュにおいて、所要時間で京王を上回ることはできません。
現状の設備ではやはり京王に軍配が上がります。
快速急行の前に急行が走るため、快速急行が詰まってしまうという問題点や、そもそも登戸〜新百合ヶ丘が複線のため各停にも詰まるなどの問題があります。
じゃあどうするの
せっかくなので頑張って勝ってみましょう。そのための設備投資は惜しみません。
勝つためには・・・
1、登戸を通過にする。
まず思いつくのはこの辺ですね。ただし、登戸を通過させてもその前を走る急行が邪魔なので所要時間の短縮にはほとんどなりません。新種別「多摩快急」とでもしておきましょうか。
(小田急33分 vs 京王29分)
そこでこれです。頑張って急行線を地下とかに作ってやります。え、そんなお金がどこにあるかって? まあ石油を掘り当てたことにしておきましょう。
各停はもちろん、急行も登戸手前あたりで緩行線(現線路)に転線させるようにして逃がしてあげるのがいいでしょう。
これにより、先ほど登戸は通過にしているので、下北沢〜新百合ヶ丘をノンストップで詰まることなく走ることができます。表定速度を85km/hとすると、約11.7分で走破することができます。ここではとりあえず12分としておきます。
これにて2分短縮できました!!
(小田急31分 vs 京王29分)
3、栗平を通過にする
このあたりからは結構厳しくやっていきます。栗平の方には申し訳ないですが、京王に所要時間で勝つためにはこの辺をいじるしかありません。「多摩快急」では栗平を通過させます。
一駅停車させることによるロスタイムを1分30秒とすると、そのまま1分30秒の短縮となります。
(小田急29分30秒 vs 京王29分)
さて、このあたりでほぼ同等になりますね。金は惜しみなく使い、そして、登戸と栗平の民の冷ややかな視線を感じつつ、小田急は30分切りの29分を推すことができます。秒単位なんて無視ですからね。
というわけで、現実的には停車駅を通過させるのは簡単ですが(新種別を作りしれっと通過扱いにさせればいい)、登戸〜新百合ヶ丘の複々線化は不可能なので、夕ラッシュにおいて京王を上回ることは不可能です。
この停車駅を維持したまま28分台にするのはなかなか難しそうですね。考えられることとすれば小田急の通勤車両も110km/h運転を開始するとかでしょうか。やはり勝つのは大変です。
え、京王ライナーが最速24分で走ってる??
余談ですが、京王ライナーの最速は24分です。もし小田急がこれに対抗しようとするならば、さらに代々木上原・下北沢・新百合ヶ丘の各駅を通過扱いにさせます。まあいわゆる特急ですね。そうすると、新宿〜小田急永山の所要時間は表定速度を80km/hとしたとき約21.2分です。
そうすれば、小田急永山での停車時間を考慮したとしても、新宿〜小田急多摩センターの所要時間は24分程度で、これまた京王ライナーと同等です。もちろん、登戸〜新百合ヶ丘の複々線化は現実的に不可能なので、夕ラッシュにおいて京王を上回ることは不可能ですが。
というわけで、現設備を持って小田急が京王に勝てるのは平日朝のみです。これは小田急が早いというより、京王が遅くなるから勝てるという方が合ってるかもしれません(もっとも「遅く」ならないために小田急は複々線をしたわけですが)。
それ以外の時間帯では、複線とはいえ、距離が短いかつ110km/h運転をする京王のほうが早くなります。