第1羽 「ひと目で、尋常でないダイヤだと見抜いたよ」

以前執筆した"ごちうさ×小田急SS"を掲載します。ほとんど加筆修正はありません。

最後に次回予告します♪

 

〜神奈川県川崎市

 

ココア「きれ〜い♪かわいい街♪ここなら楽しく暮らせそう♪」


走る少年「HAHAHA、お〜い!」


ココア「う〜ん、ここがこうであっちがそっちで、う〜ん、まあいっか!!」

 

-5分後-

 

ココア「喫茶店…らびっとはうす…らびっと…!入ってみようっと!!」


チノ「……いらっしゃいませ」


ココア「うっさぎ!うっさぎ!!ん?うさぎがいない…うさぎがいない!!うさぎがいない!!!」


チノ「なんだこの客……」

 

OP

こころぴょんぴょん待ち、考えるふりしてもうちょっと近づいちゃえ♪

 

-1か月後-

 

〜新百合ケ丘駅 9:30〜

 

ココア「今日は学校休みだし、チノちゃんとお出かけだよ!」


チノ「(ココアさんが割った)コーヒーカップ買いに行くだけじゃないですか。ココアさんついてこなくても、わたし1人だけで行けます。」


ココア「そんな!チノちゃん心配だよ!新宿は危ないところなんだよ!今日はおねえちゃんにまかせなさーい!!」


チノ「……あ、あのココアさん、そっちは下りホームに行く階段です。上りはこっちです。」


ココア「え?あーそうだったよね!こ、こっちだよね!!」


チノ「……ココアさんそっちはトイレです。そんなことしてないで早く行きますよ。」


ココア「え??あ、そ、そうだよね!こっちに行けば電車に乗れるんだよね!!」


チノ (ココアさんと行くと時間が倍かかりそう……)


ココア「チノちゃん?今なにか言った??」


チノ「い、いえ、何も言ってません。あ、電車きてるみたいですね。」


ココア「本当だ!じゃあ早速乗ろっか!!」


チノ「…あっ、ココアさん、待ってください。それは各駅停車です。時間がかかりすぎてしまいます。」


ココア「かくえきていしゃ??」


チノ「……全ての駅に停車するやつです。」


ココア「あ、それは時間かかるよね!だめだよね!!」


チノ「ほんとにわかってるんですか…?」


ココア「わ、わかってるって!ほら5分後の電車は特急って書いてあるよ!これに乗れば早く着きそうだよ!!」


チノ「ココアさん、それは特急ロマンスカーです。特急料金がかかってしまいます。私たちはそんなにお金持ってないので、特急には乗りません。」


ココア「そ、そっか…乗るのにお金かかっちゃうんだ……あ、ほら次の電車は急行って書いてあるよ!これに乗ればいいんだよ!!」


チノ「ココアさん待ってください。それは多摩急行です。新宿に行きません。それも乗っちゃだめです。」


ココア「え…だめ…なの?」


チノ「多摩急行は途中の代々木上原駅から千代田線に直通するんです。私たちは新宿に行きたいので多摩急行は使えないんです。」


ココア「……ま、まあよくわからないけど、チノちゃんについていけば大丈夫だよね!」


チノ (さっきまかせなさーいって言ったのはココアさんじゃないですか……)


ココア「あ、また電車きたよ!えーと、これは……きゅうこう、しんじゅく行き…うーん…??これは違うかな!」


チノ「なにつっ立ってるんですか!これに乗るんです!早くしないとドア閉まりますよ!」


ココア「えっ、あっ、ごめんチノちゃん!待って!おいていかないで!!!」


駅員「お客様、駆け込み乗車は大変危険です!おやめ下さい!」


チノ「あの…ココアさん、駆け込み乗車は迷惑です。今怒られてましたよ…」


ココア「わ、わかりづらいダイヤが行けないんだよ!もっとわかりやすくしてほしいよね!!」


チノ「ココアさん、小田急のせいにしないでください。」

 

新宿駅 14:15〜

 

ココア「いやー、チノちゃんいっぱい買っちゃったね〜!」


チノ「コ、コーヒーカップには目が無くて……そ、それと父のコーヒーカップも買っておこうかな…と……、もう汚いですし……」


ココア「チノちゃん優しいんだね!うん、わたしにも、も〜っと優しくしていいよ!!だからおねえちゃんって呼んで!!」


チノ「ココアさん…なにいってるんですか…?」


ココア「おねえちゃん!」


チノ「ココアさん…(あたまおかしいのかな……)そんなことより、帰りはココアさんが行きたいって言ってた和菓子屋さんに行くんじゃないんですか?」


ココア「あっ!そうだった!!そこね、わたしの友達が働いているの!!」


チノ「千夜さん、でしたっけ?」


ココア「そうそう!千夜ちゃん!」


チノ「えーと、あまうさあんって名前でしたよね?それなら私も知ってます。たしか私の祖父が……」


ココア「でも、あまうさあんがどこにあるかがわからないんだよね…」


チノ「えっ……調べてこなかったんですか…」


ココア「調べようとしたんだけど、よくわからなくて…まあ当日なんとかなるよね!って思って調べるのやめちゃった!!」


チノ「行く気あるんですか……わかりました、私が調べます。ちょっと待っててください。」


ココア「チ、チノちゃんすまーとふぉんつかえるの!?すごい!!」


チノ「はい、これが無いといろいろと不便でして。あっ、わかりましたよ、最寄り駅は経堂駅ってところらしいですね。


ココア「きょうどうえき?」


チノ「はい。経堂駅は急行が停まります。ちょうど5分後に発車しますし、これに乗って行きましょう。」


ココア「わかったよ!チノちゃん!!あ、でもちょっとトイレに行ってきていい?」


チノ「わかりました。じゃあここで待ってますね。」


ココア「いや、わたしは大丈夫だから、先に電車に乗ってて!」


チノ「そんなの心配です。」


ココア「わたしのことが心配なの!?」


チノ「心配です。」


ココア (チノちゃんに心配されちゃった…でもそんなんじゃおねえちゃん失格だ……ここはおねえちゃんとしてびしっとしなきゃね!)


ココア「ほんとに大丈夫!チノちゃんは電車に乗ってて!!すぐ行くから!!」


チノ「そ、そこまで言うのなら……まあ、新宿は始発なのでもう電車来てますし、じゃあわかりやすいように10両目の一番後ろのドアの前に立っていますね。」


ココア「おっけい!チノちゃん!!」

 

-3分後-

 

ココア「さて、チノちゃん待ってるし、早く電車に乗ろ〜っと!……えーと、急行って言ってたよね、うん、これかな!」


駅員「お待たせいたしました、5番ホームから快速急行、小田原行きが発車いたします。閉まるドアにご注意ください。」


ドア「ピンポンピンポンピンポンぷしゅー」

 

-1分後-

 

チノ「ココアさん、こない…まだトイレなのかな……この電車もう発車してしまいますよ……でもまあ大丈夫って言ってたし、たぶん間違って9両目にでも乗ってるんですかね。経堂駅できっと合流できるでしょう。」


駅員「お待たせいたしました、4番ホームから急行、新松田行きが発車いたします。閉まるドアにご注意ください。」


ドア「ピンポンピンポンピンポンぷしゅー」

 

-12分後-

 

チノ「経堂駅につきました。さて、ココアさん探しますか。……………いない、ココアさんがいない。ココアさーん!ココアさーん!……はっ、まさかココアさん経堂駅を通過する快速急行に乗ったんじゃ……」

 

-10分後-

 

ココア「あれ??ここは……新百合ケ丘駅!?らびっとはうすの最寄り駅に着いちゃった!!きょうどうえきは?きょうどうえきは!?きょうどうえきはどこなの〜!」

 


-10日後-

 

〜新百合ケ丘駅 (9:00)〜

 

ココア「冬休み始まったね!!今日は気を取り直して、もう1回千夜ちゃんのお店に行ってみよ〜う!!」


チノ「まったく、あの時は大変だったんですよ!ココアさん電話にも出ないし……今日こそはちゃんと行きますよ。」


ココア「あのときはほんとにごめんねチノちゃん…けーたいの電源切れちゃってて……でももうわたしわかったんだよ!きょうどうえきに行くにはただの急行に乗ればいいんだよね!!きゅうこうだよね!!」


チノ「まあ、基本的にはそうですね。ただ……」


ココア「あっ!!電車来てるよ!!……おっと、これは快速急行だ!乗っちゃダメだよチノちゃん!!(どやあ)」


チノ「ココアさんに言われなくてもわかってます。」


ココア「快速急行はきょうどうえきにとまらないからね!!(どやあ)」


チノ「知ってます。」


ココア「あっ、ほら、次の電車が来たよ!!えーとこれは……きゅうこうしんじゅく行き……これだ!!乗るよチノちゃん!はやくはやく!!」


チノ「ココアさん待ってください。」


ココア「え?」


チノ「その電車は経堂駅を通過してしまいます。」


ココア「え、ええ!?だって急行だよ!?」


チノ「たしかにそうなんですが、今日は平日です。」


ココア「へ?へいじつ…?」


チノ「はい、平日の場合、10時より前に経堂駅を通る急行は全て通過してしまうんです。まだ9時なのでこの電車は経堂駅を通過してしまいます。」


ココア「同じきゅうこう…なのに……?」


チノ「はい。それと、平日の朝は上りの準急も経堂駅を通過してしまいます。」


ココア「そ、そうなんだ……じゃあ次に来る多摩急行ってのもきょうどうえき通過するの…?」


チノ「いえココアさん、次に来る多摩急行は経堂駅に停車します。なので、次の多摩急行に乗って行きましょう。」


ココア「え、準急が通過するのに多摩急行はとまる……の?」


チノ「簡単に言うとそういうことになりますが、なにか?」


ココア「え、だって準急より急行のほうが停まる駅が少ないんじゃないの…?」


チノ「基本的にはその通りです。ただまあ例外もありますし……というより多摩急行が運行される時間帯は準急が運行される時間帯より後なので、まあそれほど問題が起こるわけでもないというか……」


ココア「そ、そんなのわからないよ!!」


チノ「路線図に書いてあります。見てください。あ、ちなみに平日の夕方以降の急行も経堂駅を通過してしまいます。」


ココア「うぅ…お、小田急むずかしいよ…」


チノ「確かに小田急は難しいです。でも乗り慣れるといろいろな小田急の策略がわかったりしておもしろいですよ。」


ココア (どこがおもしろいのかなぁ……でもわたしはチノちゃんのおねえちゃんだし…)


ココア「うん、おもしろそうだね!わたし、もっと小田急のダイヤについて勉強したいな!」


チノ「ココアさん、小田急のダイヤに興味を持っていただけたんですか!(目キラキラ)」


ココア「うー…、う、うん!」


チノ「それじゃあこれあげます。使ってみてください。」


ココア「なんか斜めに線がいっぱい書いてあるけど……これなに?」


チノ「これはダイヤグラムです。公表されている時刻表をもとにわたしが作成したものです。」


ココア「ダイヤグラム…?なにそれ??」


チノ「まあ簡単に言うと、1日の小田急線全列車の時刻表をまとめたもの…みたいな感じですかね。」


ココア「チノちゃんがこれ作ったの!?わたしにはなにがなんだかさっぱりわからないよ!」


チノ「あ、そんなこと話してる間に多摩急行来ましたよ。ココアさん、ダイヤグラムを見てください。新百合ケ丘駅を9時08分に発車する多摩急行は…え〜と、これですね。これに乗って行きます。ん?ココアさん??ココアさん!?」


ココア「なんかこの線見てたら気持ち悪くなってきちゃったみたい……」


チノ「ダイヤグラム酔いですか!?そんなの初めて聞きました……」


ココア「うっ、ゔ……ゔぇ…」


チノ「コ、ココアさん!?どうしたんですか!?」


ココア「ゔぇ…ゔぇ、ヴェアアアアアア!!」


(ばああああああああん)


チノ「えええ!???ココアさーん!!!」


周りの客「ざわざわ」


駅員「き、救急車お願いします、早く!!」


チノ「ココアさんが、ココアさんが……ココアさんがー!!」

 

ED
せーんろへぽっぴんジャンプ♪いっしょなら〜なんだってたーのしいって♪

 

 

 

【次回予告】

第2羽はココアとチノが箱根へ温泉旅行に行きます。果たして彼女らは箱根にたどり着けるのか?入浴時に不自然な光は現れるのか!?